リードジェネレーションとは
リードジェネレーションとは、見込み客を増やすマーケティング活動のことです。
リードジェネレーション(Lead Generation)とは、自社の製品やサービスに興味を持ち、将来的に顧客となる可能性のある「リード(見込み客)」を獲得するための一連の活動やプロセスを指します。マーケティング活動の初期段階に位置づけられ、その後の営業活動や売上向上に繋げるための重要なスタート地点となります。
リードジェネレーションは潜在顧客層よりも、さらに広い層にリーチさせる活動です。
今まではマスメディア(新聞・ラジオ・テレビ)が有効な媒体でした。新聞・ラジオ・テレビは何十万人へリーチさせる手段としてとても有効です。
ただし、デメリットとしては、膨大なコストがかかることでした。
そこで、マスメディアよりもローコストで実施しやすいWEBプロモーションが注目されるようになりました。
インターネットやSNSの普及により、顧客は購入前に自ら情報を収集し比較検討することが一般的になりました。そのため、企業側から積極的に潜在顧客にアプローチし、見込み客として関係を構築していくリードジェネレーションの重要性がますます高まっています。
「リード」とは?
マーケティングにおける「リード」とは、単なる連絡先情報だけでなく、自社の製品やサービスに対して何らかの関心を示した個人や企業を指します。例えば、以下のような行動をとったユーザーはリードと見なされることがあります。
ウェブサイトから資料を請求した
セミナーやウェビナーに申し込んだ
問い合わせフォームから連絡してきた
メールマガジンに登録した
展示会で名刺交換をした
リードは、その関心の度合いや購買意欲によって、「ホットリード(購買意欲が高い)」「コールドリード(購買意欲が低い)」などに分類されることもあります。
リードジェネレーションの目的と重要性
リードジェネレーションの主な目的は、将来の顧客となり得る可能性のある個人や企業の情報を獲得し、関係構築のきっかけを作ることです。これにより、以下のようなメリットが期待できます。
効率的な営業活動の実現: 全く関心のない相手に手当たり次第アプローチするのではなく、既に一定の興味関心を持つリードに対して営業活動を行うことで、成約率の向上や営業コストの削減が見込めます。
安定的な売上の確保: 継続的にリードを獲得し、育成していくことで、将来の売上見込みを安定的に確保することに繋がります。
マーケティングROIの向上: 獲得したリードの質や量を分析することで、マーケティング施策の効果を測定し、改善していくことが可能になります。
リードジェネレーションの具体的な手法
リードジェネレーションの手法は、オンラインとオフラインの両方に多岐にわたります。
オンラインの手法
1.コンテンツマーケティング:
1-1.ブログ記事: 役立つ情報を提供し、自然検索からの流入やSNSでの拡散を狙います。
1-2.ホワイトペーパー・Eブック: 専門的な知識やノウハウをまとめた資料を提供し、ダウンロードと引き換えにリード情報を獲得します。
1-3.ウェビナー(オンラインセミナー): ライブまたは録画形式で有益な情報を提供し、参加登録時にリード情報を収集します。
2.SEO(検索エンジン最適化): 自社サイトやコンテンツを検索エンジンの上位に表示させ、潜在顧客のアクセスを増やします。
3.リスティング広告(検索連動型広告): 特定のキーワードで検索したユーザーに対して広告を表示し、関心の高いリードを獲得します。
4.SNSマーケティング:
4-1.SNS広告: Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LinkedInなどでターゲットを絞った広告を配信します。
4-2.SNSアカウント運用: 有益な情報を発信し、フォロワーとのエンゲージメントを高め、リード化に繋げます。
5.メールマーケティング: 既存のリストに対して、有益な情報やセミナー案内などを配信し、さらなるアクションを促します。
6.ウェブサイト上のフォーム: 資料請求、問い合わせ、見積もり依頼などのフォームを設置し、直接リード情報を獲得します。
7.オンライン展示会・イベント: オンライン上で製品やサービスを紹介し、参加者情報を獲得します。
8.チャットボット: ウェブサイト訪問者の簡単な質問に答えたり、資料請求へ誘導したりすることでリードを獲得します。
オフラインの手法
1.展示会・見本市: ブースを出展し、来場者と名刺交換をしたり、アンケートを実施したりしてリード情報を収集します。
2.セミナー・イベント: 自社開催または共催でセミナーを実施し、参加者情報を獲得します。
3.ダイレクトメール(DM): ターゲットリストに対して、郵送で製品カタログやイベント案内を送付します。
4.テレマーケティング(テレアポ): ターゲットリストに対して電話でアプローチし、製品やサービスへの興味を引き出し、リード情報を獲得します。
5.新聞・雑誌広告、テレビCMなど(マス広告): 広範囲に認知を高め、ウェブサイトへの誘導や問い合わせに繋げます。
屋外広告・交通広告: 特定の地域やターゲット層にリーチし、ブランド認知やウェブサイトへのアクセスを促します。
これらの手法は、ターゲットとする顧客層や製品・サービスの特性、予算などに応じて組み合わせて活用されます。
リードジェネレーションのプロセスとマーケティングファネル
リードジェネレーションは、一般的にマーケティングファネルの初期段階(認知・興味関心)に位置づけられます。獲得したリードは、その後「リードナーチャリング(見込み客育成)」のプロセスを経て、より購買意欲の高い状態へと育成され、最終的に「リードクオリフィケーション(見込み客の選別)」によって営業部門へ引き渡される質の高いリードへと絞り込まれます。
リードジェネレーション(見込み客獲得): 様々な手法で潜在顧客との接点を持ち、リード情報を獲得する。
リードナーチャリング(見込み客育成): 獲得したリードに対して、メールマガジン、セミナー、パーソナライズされたコンテンツなどを通じて継続的に有益な情報を提供し、信頼関係を構築しながら購買意欲を高めていく。
リードクオリフィケーション(見込み客の選別): リードの行動履歴や属性情報などから、購買意欲や緊急度の高いリード(ホットリード)を選別し、営業部門へ引き渡す。
この一連の流れを効果的に行うことで、商談化率や受注率の向上を目指します。
リードジェネレーションの課題と注意点
リードの質の担保: 単に多くのリードを獲得するだけでなく、質の高い(自社のターゲット顧客であり、購買意欲の高い)リードを獲得することが重要です。質の低いリードばかりでは、その後のナーチャリングや営業活動の効率が悪化します。
ターゲット設定の明確化: どのような顧客をリードとして獲得したいのか、ペルソナ(理想の顧客像)を明確に設定し、それに合わせた施策を展開する必要があります。
コンテンツの質と継続的な提供: 特にオンラインでのリードジェネレーションにおいては、ターゲットにとって価値のある質の高いコンテンツを継続的に提供し続けることが不可欠です。
個人情報の取り扱い: 獲得したリード情報は個人情報であるため、個人情報保護法などの関連法規を遵守し、適切に管理・利用する必要があります。利用目的の明示や本人の同意取得などが重要です。
KPIの設定と効果測定: リード獲得数、リード獲得単価(CPL)、商談化率など、適切なKPIを設定し、定期的に効果測定を行い、施策の改善を繰り返すことが重要です。
部門間の連携: マーケティング部門と営業部門が連携し、どのようなリードをいつ引き渡すのかといった基準(SLA:Service Level Agreement)を明確にしておくことが、プロセス全体の円滑化に繋がります。
リードジェネレーションのKPI(重要業績評価指標)
リードジェネレーションの効果を測定し、改善に繋げるためには、以下のようなKPIが一般的に用いられます。
リード獲得数: 一定期間内に獲得できたリードの総数。
リード獲得単価(CPL:Cost Per Lead): リード1件を獲得するためにかかった費用。
コンバージョン率(CVR): ウェブサイト訪問者のうち、リード情報を提供してくれたユーザーの割合。
フォーム完了率: フォームの入力を開始したユーザーのうち、最後まで完了したユーザーの割合。
メール開封率・クリック率: メールマーケティングにおける効果指標。
チャネル別リード獲得数・CPL: どのチャネルが効果的にリードを獲得できているかを把握するための指標。
商談化率: 獲得したリードのうち、実際に営業商談に繋がった割合。
受注率: 商談化したリードのうち、実際に受注に繋がった割合。
リード獲得から受注までの期間: リード獲得から収益化までのリードタイム。
リードジェネレーションは、現代のマーケティング戦略において欠かせない活動です。自社の状況に合わせて適切な手法を選択し、継続的に改善していくことで、ビジネスの成長に大きく貢献することができます。
個人情報の取り扱いは慎重に
最近個人情報の漏洩が頻繁に発生しています。
たとえばレンタルサーバーで有名なカゴヤからも大量の個人情報が流出し、クレジットカード番号まで流出しました。
(https://www.kagoya.jp/news/201611097601.html)
個人情報の流出は企業の信頼失墜だけでなく、企業の存続にも直結する事態となります。
そのため、個人情報を取得した場合は、セキュリティを強固にし厳重に管理する必要があります。
まとめ
・リードジェネレーションとは、見込み客を増やすマーケティング活動のこと
・リードジェネレーションのゴールは個人情報の取得
・個人情報の取得の際は、個人情報を記載するに留めないと離脱の原因にもなるので、注意が必要
・個人情報の取り扱いは最新の注意が必要